トルキスタン集成データベース(Turkestanskii sbornik/Туркестанский сборник Database)
「トルキスタン集成」とは、ロシア帝国の中央アジア征服の結果タシュケント(現在のウズベキスタンの首都)にトルキスタン総督府が設置された後、初代総督カウフマンK. P. fon-Kaufmanの命により、19世紀後半から20世紀初頭にかけて収集された、当時の中央アジアに関する文献資料コレクションである。全594巻および4種の索引から成る。
トルキスタンをロシア人がよりよく知るための百科事典として構想され、帝都サンクトペテルブルグで司書メジョフV. I. Mezhovによって1868年から編纂が開始された。若干の休止期間を経て、1907年からはタシュケントに拠点を移し、1917年のロシア革命前夜までこの事業は続けられた。このコレクションはロシア革命という一大変革を経ても失われることなく、ソヴィエト体制下でもその索引を作成する作業が行われた。
「トルキスタン集成」は、形態としては、ロシア領トルキスタンのみならず、ロシア帝国の保護国であったブハラ・アミール国とヒヴァ・ハン国、さらに隣接する清朝支配下の東トルキスタン(新疆)、アフガニスタンやペルシアなどに関して、主としてロシア語を中心とする欧米諸語による単行本、雑誌論文、新聞記事など当時の文献資料を網羅的に収集し、共通の表紙をつけて製本し直したものである。その内容は、当時の学問の最新成果、旅行や学術調査・軍事遠征の報告、現地情勢、時事問題に関する議論、地図、統計などきわめて多岐にわたる。
コレクションとしては世界に1セットしか存在せず、タシュケントにあるウズベキスタン共和国ナヴァーイー記念国立図書館希少本室に保管されている。京都大学・地域研究統合情報センターはこのコレクションのデジタル複製版(CD122枚)を所蔵している。
本データベースは、「トルキスタン集成」の既存の4種の索引における書誌情報を統合し、「トルキスタン集成」に含まれる文献資料についてキーワード検索と現物の閲覧を可能にしたものである。現時点ではなお改良の余地があるが、暫定版として公開することとした。